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PROPERTY VALUATION

広島の収益不動産の売却価格はどう決まる?
査定・利回りの見方

「家賃収入が同じなら、売れる価格も同じ?」
収益・建物・買主の視点から、ご所有物件の価値を整理します。

更新・出典確認:

収益不動産の売却価格は、年間賃料を利回りで割るだけでは決まりません。賃料がどの程度続くか、運営費や修繕にいくら必要か、土地と建物にどのような条件があるか、買主が資金を調達できるかを合わせて見ます。

広島で一棟マンション・一棟アパート・収益ビルを所有するオーナーの方へ、不動産会社の査定を読み解き、売却と保有を比較するための判断材料をまとめました。

売却価格を考える、収益・資産・市場の3つの視点

査定は「この物件を、どのような買主が、どの条件で購入できそうか」を整理する作業です。まずは次の3点を確認しましょう。

収益

実際の賃料、空室、経費から、継続的に残る収益を考えます。

資産

建物の状態、修繕負担、土地の形状や利用条件を確認します。

市場

比較できる取引情報、賃貸需要、投資家の目線や融資条件を見ます。

以下は売却相談における査定の考え方です。不動産会社の売却査定と、不動産鑑定士が行う鑑定評価は区別して考えてください。

収益還元法とは?将来の収益から価値を考える方法

収益還元法は、不動産が将来生み出すと見込まれる純収益を基に価値を求める方法です。代表的な考え方に、直接還元法とDCF法があります。

直接還元法:1年間の純収益を利回りで還元する

直接還元法の基本形収益価格 = 1年間の純収益 ÷ 還元利回り利回り6%なら、計算では0.06を使います。

使うのは、単なる家賃収入ではなく、収入から必要な費用等を控除した純収益です。一時的な満室や臨時の支出に左右されないよう、継続的な収支を検討します。還元利回りも、立地・賃貸需要・建物の状態・取引情報などと、採用する純収益の定義を合わせて判断します。

DCF法:収益や支出が変わる時期も考慮する

DCF法は、保有期間中の各年の純収益と、将来売却するときの価値を現在の価値に割り引いて合計する方法です。賃料の変動、退去、まとまった修繕や設備更新など、収支の時期が判断に影響する場合に役立ちます。直接還元法の還元利回りと、DCF法の割引率は役割が異なります。

表面利回りと還元利回りは、そのまま置き換えられません

表面利回りは「年間賃料収入 ÷ 物件価格 × 100」で求める指標で、通常は運営費や購入諸費用を含みません。純収益を基にする利回りとは分子が違います。査定書を見るときは、何を収入・費用として計算した利回りなのかを確認しましょう。

年間賃料と満室想定賃料を分け、空室率・稼働率を確認する

「現在の契約」「実際の入金」「満室想定」は別の数字

現在の契約賃料を12か月分にした金額と、過去1年間の入金額は一致しないことがあります。途中の入退去、滞納、フリーレントなどがあるためです。共益費・駐車場代を含むかも揃えて比較します。

満室想定賃料は、空いている部屋や区画にも想定賃料を置いた金額です。空室の募集賃料が実際に成約できる水準か、入居までの期間や募集費用はどの程度かを確認し、「満室なら得られる金額」を確実な収入として扱わないことが大切です。

戸数の稼働率と、賃料ベースの稼働率を使い分ける

戸数ベースの稼働率は「入居戸数 ÷ 総戸数」、空室率は「空室戸数 ÷ 総戸数」で求めます。ただし、高い賃料の区画が空く場合、戸数の割合以上に収入が減ります。収入を見るときは「現在の契約賃料 ÷ 満室想定賃料」も確認し、面積・戸数・賃料のどの基準かを明記しましょう。

ある日の入居率だけでなく、過去の空室期間、入居者の入れ替わり、退去予定も確認します。収益ビルでは、主要テナントの退去による影響と契約期間、店舗・事務所ごとの用途や費用負担も重要です。広島の収益ビル売却・無料査定では、テナント構成を含む判断を説明しています。

運営費を差し引いたNOIで、収益の実態を見る

NOI(運営純収益)は、賃料等の収入から空室・未回収の影響を見込み、物件の運営に必要な費用を差し引いたものです。管理委託費、共用部の水道光熱費、清掃・保守点検費、保険料、固定資産税・都市計画税、経常的な修繕費などを整理します。

計算方法を理解するための仮定例(年額)
収支の項目仮定の金額
満室想定賃料1,200万円
空室・未回収による減収の見込み−120万円
運営費−280万円
NOI800万円

この表は説明用の仮定であり、実在物件の収支や広島の相場・査定価格ではありません。賃料以外の収入はないものとしています。

NOIは、ローン返済後の手残りではありません

この整理では、借入金の元利返済と減価償却費はNOIから差し引きません。実際の手残りを考えるときは、NOIから返済、まとまった設備更新、所得に対する税金等を別途検討します。大規模修繕などの資本的支出もNOIとは分けて見込みます。

鑑定評価で採用する純収益には、資本的支出や預り金の運用益等の調整が関わる場合があります。「NOI」「純収益」「手残り」を同じ意味で使わず、収入・費用の範囲を確認してください。

仮定例:同じ年間賃料でも、利回りによって逆算額は変わる

まず仕組みをつかむために、年間賃料を1,200万円と固定し、表面利回りから価格を逆算してみます。以下は経費等を省いた算数の例で、純収益を用いる正式な収益還元の査定とは異なります。

表面利回りからの単純な逆算年間賃料 ÷ 表面利回り
= 参考額
年間賃料1,200万円と仮定した計算例
仮定の
表面利回り
計算逆算した
参考額
6%1,200万円 ÷ 0.062億円
8%1,200万円 ÷ 0.081億5,000万円
10%1,200万円 ÷ 0.101億2,000万円

6%・8%・10%は計算説明のための仮定です。広島の市場利回り、実際の査定額、売却可能価格を示すものではありません。

収入を一定とすると、買主が求める利回りが高いほど、逆算される価格は低くなります。一方で、同じ表面利回りでも経費・空室・修繕負担が違えば、買主に残る収益は変わります。売却価格を考えるときは、上の表だけで結論を出さず、NOIや建物条件まで戻って確認しましょう。

築年数・構造・修繕履歴・土地建物・立地はどう影響する?

築年数と構造:年数だけでなく、使い続けられる状態か

RC造、鉄骨造、木造などの構造と築年数に加え、建物の劣化、維持管理、耐震性、法令への適合状況を確認します。税務上の耐用年数は建物の寿命そのものではなく、年数を超えたから価値がなくなるわけでもありません。

一棟マンションでは共用設備・配管・屋上防水などを、アパートでは屋根・外壁・雨漏りや木部の状態などを整理します。物件ごとの確認点は、広島の一棟マンションの査定・売却相談、広島の一棟アパートの査定・売却相談をご覧ください。

修繕履歴と将来負担:実施済み工事と未実施工事を分ける

修繕の時期・範囲・費用と、今後必要になりそうな工事を整理します。エレベーター、空調、給排水設備などの更新負担も買主の判断材料です。修繕済みでも費用の全額が価格に上乗せされるとは限らず、未修繕でも費用を織り込んで売却できる場合があります。

修繕を先に進めるか迷う場合は、大規模修繕前の売却・修繕後の売却・保有継続の比較も参考にしてください。

土地・建物の価値:収益価格にそのまま足し算しない

土地は面積、形状、接道、利用制限等、建物は再調達に必要な費用や経年・状態による価値の減少などからも検討します。収益から見た価格と、土地建物から見た価格を照合することで、査定の根拠を確かめやすくなります。

ただし、土地建物全体が生む収益から求めた価格に、土地価格をそのまま加えると二重評価になります。土地活用を前提とする買主を想定する場合も、賃貸借契約、退去調整、解体費、法令上の制約と所要時間を確認します。

立地:住所の知名度より、用途に合った賃貸需要を見る

駅・電停へのアクセス、生活利便性、周辺の雇用や学校、駐車場の必要性などを、間取りや入居者層に合わせて見ます。店舗なら視認性・通行動線、事務所なら交通や業務上の利便性も判断材料です。災害リスクや法令上の制約も含め、将来の入居・利用のしやすさを確認します。

金融機関の融資環境と、投資家が求める利回り

買主は購入価格だけでなく、借入金利、融資期間、自己資金、返済後の収支を見て購入を判断します。金融機関も物件の収益や担保としての評価、構造・築年数、買主の状況等を踏まえて融資条件を判断するため、同じ物件でも購入できる条件は一律ではありません。

借入負担が増えれば、買主が価格の引き下げやより高い利回りを求める可能性があります。ただし、金利が動いた分だけ価格が一定割合で変わるわけではありません。賃料の持続性、空室や設備更新のリスク、売買市場の状況も合わせて考えます。

査定で聞きたいのは「誰が、どう買えるか」

想定する投資家層、必要な自己資金、融資面の確認事項と、採用した利回りの理由を聞きましょう。特定の金利や融資期間を前提にする場合は、確認時点と条件も必要です。実際の融資条件は金融機関や買主によって異なるため、個別に確認します。

広島の収益不動産の相場は、比較条件を揃えて確かめる

「広島県内」「同じ一棟物件」というだけでは、価格や利回りをそのまま比較できません。広島市中心部、郊外、県内の他市町では需要や物件条件が異なります。査定では、できるだけ近い条件の情報を確認し、違いが価格にどう影響するかを説明してもらいましょう。

  • 所在地・交通・用途・周辺の賃貸需要
  • 構造・築年数・規模・修繕や設備の状態
  • 賃料の水準・稼働状況・運営費・契約条件
  • 売出中か成約済みか、いつの情報か、利回りの計算条件

公的な取引価格情報や地価情報は比較の手がかりになりますが、賃貸借契約や修繕の詳細が分からない情報だけでは個別の査定価格は決められません。国土交通省「不動産情報ライブラリ」(別タブ)も、所在地や土地条件等を確認する資料の一つとして活用できます。

売出価格と成約価格は違う。高い査定額だけで会社を選ばない

査定額

条件や情報を基に、不動産会社が見込む価格。

売出価格

希望時期や販売戦略を踏まえて設定する募集価格。

成約価格

買主との交渉を経て、実際に合意した売買価格。

広告に掲載されている売出価格は、売れた価格ではありません。また、査定額は成約価格の保証ではありません。高い査定に根拠がある場合もありますが、満室想定賃料や低い利回りを使う一方で、空室・修繕・融資面の負担を十分に考慮していない可能性もあります。

査定額を比較するときに確認したい4つの質問

  1. 賃料は現況・満室想定のどちらを使い、空室と運営費をどう見込んだか。
  2. 採用した利回りと比較物件の根拠は何か。売出情報と成約情報を分けているか。
  3. 修繕負担、土地建物の条件、買主の融資について何を確認したか。
  4. その価格で想定する買主・販売方法・期間と、反応が弱い場合の見直し方は何か。

売却時の手取りは、成約価格から仲介手数料等の売却費用、借入残高の返済、必要に応じた税金等を差し引いて考えます。税額は取得費や保有状況等によって異なります。「高い査定額」だけでなく、根拠と販売方針、手取りまで比較することが大切です。

査定前に、賃料・経費・修繕の資料を整理する

最初からすべての資料が揃っている必要はありません。分かる範囲で、現況の賃料と空室、直近の経費、修繕の実施・予定を整理すると、仮定の少ない査定につながります。

  • レントロール、賃貸借契約書、入金・滞納・退去予定が分かる資料
  • 管理費、税金、保険、清掃・点検、修繕等の経費明細
  • 修繕・点検記録、工事見積書、図面、登記関係の資料
  • 売却希望時期と、手取りを考えるための借入残高・返済条件

資料ごとの役割は、一棟マンション・収益ビルの売却準備で揃えたい資料で説明しています。

収益不動産の査定で、オーナーが迷いやすいこと

家賃を値上げしてから査定を依頼した方がよいですか?

査定のために先に値上げする必要はありません。契約条件、周辺の募集状況、退去のリスクを確認し、現在の契約賃料と将来の見込みを分けて相談しましょう。希望する賃料を、そのまま確実な将来収入にはできません。

サブリース契約のある物件は、どの賃料を伝えればよいですか?

オーナーが受け取る賃料と、把握できる範囲の入居者向け賃料の両方を、区別して伝えてください。賃料の見直し、契約期間、解約や承継等の条件も確認が必要です。契約書を用意すると、買主が引き継ぐ収支を整理しやすくなります。

査定額がローン残高より低い場合も相談できますか?

相談は可能です。売却費用を含めた手取りと返済額を比較し、不足する場合の資金や金融機関との調整事項を整理します。抵当権の抹消等の条件に関わるため、売却できると決めつけず、借入先への確認と合わせて進めます。

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担当者が過去に担当した案件です。現在の運営会社の直接の成約実績として掲載するものではありません。

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